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2012.08.01     カテゴリ:  Duty-本編- 

   38話 コントロール




「理真ちゃん、さっきのパフェ、オレに分けてくれても……」
「は?ならさっき言ってよ!なんで黙って見てたの!?」
「……見てればくれるかなと思って」
 誰かこの男を何とかしてくれ。なぜかものすごく悲しみに満ちた目で私は今、彼に見られている。
横断歩道の赤信号を待っている間、彼はなぜか私の「影踏み」を始め、私は小さい頃によくやったなと思い出にふけっていた。
「……もう1回食べに行くとか」
 無謀なことをこの男は言い出す。
「無理だよ!あたしもうお腹いっぱい!」
「だよねぇ!」
 予想していたかのように勢いよく彼が言う。
「仕方ない。また今度2人で食べに行こう」
「また今度って、いつになるか分からないけどね。あたし、学校あるし」
「休みの日は?ダメ?」
 私の影を踏みながら、セナは私の機嫌を取ろうとする。別に私は機嫌が悪いわけではないのだが。
 その時だった。横断歩道の信号が急に青になり、たくさんの人が一斉に動き出した。私もその流れに乗って歩き出そうとしたのに、突然腕を引っ張られた。振り返ってその手を見ると、やはりセナのものだった。
「何!?まだ影踏みやってんの?いい加減にしてよ!」
 人が流れて行く中、私とセナは横断歩道の前に立ち尽くしていた。セナは私に多少引っ張られて、辛い体勢で私の腕を掴んでいる。だがセナは全く動こうとはせず、顔は驚いたように目を見開いたままだった。
「セナ?」
「理真ちゃ……ん」
 次は何だ。一体次は何をしでかすのだ?この男は。
「恋人っぽく……くっ付いて歩こう?」
「は?1人でやってれば?」
 付き合っているだけ時間の無駄。そう思って横断歩道に足を踏み入れようとしたが、やはりセナの手が邪魔をする。
「痛いって!おい!力……加減を……しろ!」
「……痛いのが嫌なら今すぐオレの腕にくっ付いて」
 セナのあのヘラヘラした声ではなく、真面目な声が私の耳元に届いてくる。
「せ……セナ?」
「いいから早く。……じゃないと家に帰ったら頭から熱湯浴びせるよ?」
 私は仕方なく折れて、セナの左腕に右腕を絡めて恋人のように身体を寄せた。
「なんかさ、恋人同士みたいじゃない?」
 私たちは横断歩道をやっと歩き出した。セナはまた元の口調に戻り、ヘラヘラとし始めた。一体セナがどうして突然真面目になったのだろうか?本当によく分からないアンドロイドだ。私はセナを100年経っても理解できそうにない。



 彼が横断歩道の中間部分に差し掛った時、2人の姿が見えてきた。隣の女は奴の左腕に自分の腕を絡めている。それも彼と近付く反対側の腕に、奴は女を置いている。ということは、必然的に彼と奴は至近距離ですれ違うことになる。
 どういうことだ?奴はオレに気が付いているのか?オレに気が付いていて、攻撃することを考えて奴は女を自分の右腕ではなく、左腕に付かせたのか?
 決して彼は奴に直接目を向けず、視界の隅で奴を捉えたまま、横断歩道を歩いて行く。奴は攻撃してくるのか?だが昔の奴だったら、確実にここでオレを…。
ふわりと、ただ人間と人間がすれ違うように、彼と奴はすれ違った。…何も起こらなかった。奴は何も彼にしかけてはこなかった。


38-1



 横断歩道を渡り終え、歩道から2人の背中にじろりと目をやる。すると他の場所の横断歩道を利用して、こちらへと渡って来たブレイズが近付いて来た。
「やべぇんじゃね?アイツ、あんだけ至近距離に迫られても気付いてなかったぞ」
 片手にはやはり食べかけの肉まんがあった。それをまた口に運んでいる。
「いや、奴は気付いている」
「あ?」
 どうして気付いていたにも関わらず、何もしてこなかった?5年前までの奴なら確実にオレを仕留めに来たはずだ。あの女はオレの歩く方向とは逆にいた。…ならオレに襲いかかれたはずだ。
「あの女……」
「どうした?」
 あの女は比較的安全な位置にいた。それでも奴はオレに襲いかからなかった。…ということは、女に被害が及ぶ極僅かなリスクをも恐れたと言うことだ。どうしてだ?少なからず奴の性格が5年前と異なっている理由と、あの女を庇う理由は少なからず関係している。
「まさか……」
 欠陥品である奴を上手くコントロールしているのはあの女か!?
「ブレイズ。フジオカに連絡しろ」
「は?何でだよ突然」
 彼らの製造者の名前が突然飛び出してきたため、ブレイズは目を丸くした。
「あの女が奴をコントロールしているのかもしれない」
 始めは意味がよく分かっていないような表情をしていたブレイズだったが、やがて妙な笑みを浮かべて小さく呟いた。
「……おもしれぇ」



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おお!!
キャラの顔、つけたな!!

はいw!
つけましたぜ!

これでどうでしょう!!!




プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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