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2012.07.23     カテゴリ:  Duty-本編- 

   37話 捨て駒




彼にとって、奴の居場所を掴むのは、そう難しいことではなかった。簡単だったと言ってよいかもしれない。10年間息を潜めていた驚異のアンドロイドとはいえ、所詮作られたアンドロイドだ。マニュアル、データは彼らたちのもの。奴は井の中の蛙だ。奴が彼らたちから逃げることはできない。不可能なのだ。
 彼の任務は10年前に殺し逃がした俗称・デストロイドというアンドロイドを殺すこと。奴が生きているという情報が彼と奴の製造者の耳に入り、彼はアメリカから日本へと呼び戻された。この仕事には彼と、もう1体のアンドロイドが任されている。捨て駒として彼らの製造者が用意したのだ。そして彼らに指令塔として、指示を出すのは彼らの製造者。製造者自身がアンドロイドに全てを任せず、アンドロイドを完全にコントロールするというのは異例だった。それだけ奴をこのまま人間社会の中で生かしておくのは危険だと判断し、人間の知能を使って確実に消したかったのだろう。
 それにしても、捨て駒が見つからない。この調子で彼は20分歩いている。「奴がのこのこと外を出歩いている」という知らせを受けて、わざわざこんな人間臭い街に出て来たというのに。
 捨て駒には、気付かれない程度の尾行を製造者に命令されている。彼自身が捨て駒と会うのは初めてだ。人間ならば顔も知らない相手を探すことは困難だろう。しかし彼らは一瞬にして人間の中からアンドロイドを見つけ出すことができる。異常なほどの殺気が彼らアンドロイドの周りには浮遊しているのだ。
 …ほら。そこにいた。
 季節に似合わず、ブラックのジャンバーを着た、赤に近い髪の男。歩道と車道を区切る洒落たガードレールの上の不安定な所に男は座り、白い紙の袋から何かを取り出して口の中へと忙しなく運んでいた。


Blaze.png



「おい。」
 人間の行き交う歩道からガードレールに歩み寄り、男に声を掛ける。
「あ?うおっ!デューティか。てっきりデストロイドの方かと思った。驚かせんなよ。ハゲ。」
 つり上がった目で口角を上げて言う男。そういうことかと彼は思った。このアンドロイドは捨て駒にしかなれなかったのか。口振る舞いから見ても、昇進できるようなアンドロイドではない。足を引っ張られそうだ。だから彼は製造者に自分1人でいいと言ったのだ。これでは面倒なだけだ。
「オレはBlaze(ブレイズ)No.7435だ。お前はDuty(デューティ)No.4201だろ?知ってる。ってか、どうやってアメリカから来たんだ?お前。」
「オレが話したいことは違う。奴はどこだ?仕事をしろ。」
 ブレイズはセナと同じ髪の色をした彼に怪訝そうな表情をする。
「ったく、無愛想な奴だな。向こうのデューティはお前とは正反対で、人間らし過ぎて怖い。…あれだ。」
 セナと瓜二つの彼は目を細めて対向側にある歩道を見た。そこにはいつも通り黒いジャンバーを着ているセナと、楽しそうに笑っている理真がいた。2人は行き交う人間に見え隠れしていたが、しっかりと見て取れた。
「あの隣の人間は何だ?」
 ブレイズのジャンバーの中はネイビー色に着色されたライダースーツのような上下が繋がったスーツを着ていた。彼の声にブレイズはだるそうに答えた。
「知らねぇよ。女遊びでもしてんじゃねぇの?そんなに知りたきゃ自分で調べろ。てかお前、全く仕事してねぇだろ。少しは仕事したらどうだ?アメリカ行ってるからって調子ぶっこいてると…」
 一瞬にしてブレイズは彼の首にジャンバーの中から取り出したナイフを向けた。
「殺すぞ。お前。」
「…近距離専門型か。」
「あぁ。オレはお前みたいに、ちんたら銃に弾詰めててうっかり死んじまうようなアンドロイドじゃねぇんだよ。」
「ちょうどいい。」
 彼は冷静な顔つきのまま、自分の首にナイフを突き付けているブレイズに言う。
「あ?なんだ?死にたかったのか?お前。」
「奴は戦闘型と頭脳型が混ざった欠陥品だ。…何をしてくるか分からない。中距離専門型のオレと近距離専門型のお前がいれば、奴を殺すには充分過ぎるくらいだ。」
「戦闘型と頭脳型!?何言ってんだお前。アイツは頭脳型で登録されてるんだろ!?」
 どうやら、この捨て駒は製造者に説明さえもされていなかったようだ。
「奴は身体が戦闘型、頭は頭脳型だ。」
「はぁ?お前アホか?そんなバラバラなアンドロイドなんているはずがないだろ。」
「だから欠陥品と言っただろ。話をちゃんと聞け。」
「意味分かんねぇ。」
 そう言いながらブレイズは彼からナイフの刃を遠ざける。
「お前にとってはチャンスだ。奴はデストロイドだ。」
「んな、そんなの10年前の昔話だろ?オレ、デストロイドなんて今回の仕事で初めて聞いたし、それにオレ、去年作られたばっかなんだけど。」
「いいか?ここで奴を殺せば、お前に対する評価も上がる。」
「…ふ~ん。」
「この仕事はお前が今までしてきたような仕事ではない。だがこれをこなせばお前のレベルも確実に上がる。美味しい話だろう?ここでオレとお前が殺し合っても、何の得もしない。お前がオレを殺しても。勿論オレがお前を殺してもだ。それにお前…。」
「あ?」
「ナイフを抜いて突き付ける。その単純動作がお前は他のアンドロイドよりも異常に速い。」
 コンビニの袋から肉まんを出し、ブレイズは思い切りかぶりついた。
「お前がそこまで言うってことは、あのデューティは相当な奴ってことか?」
 彼に目を向けてブレイズは笑った。
「オレさ、他のアンドロイドと組むの、すげぇ嫌いだけど、お前とは協力してやる。ちゃんと仕事してやるよ。」
「してもらわないと困る。」
「け。つまんねぇな。ナイフ向けられたら、もっとビクビクしてくれるかと思ったのによ。お前は肝座り過ぎだ。マジでロボットみてぇ。」
「お前は少しここで待ってろ。」
 そう言い残して、彼は歩道を歩き出そうとした。
「あ?どうしてだ?」
「お前に尾行させたからな。次はオレが確認して来る。」
「はぁ?確認ってなんだそりゃ。」
 食べながら話すため、声が籠っているように聞こえる。
「おかしい。奴の本来の姿はあれではない。」
「だからあれはデューティだろ?お前と同じ型の!」
「違う。奴は人間と関われるような性格ではない。…行って来る。」
 残された赤毛のブレイズは、セナと同じ茶髪の男を目で追っていた。
「なんだアイツ。アホじゃねぇの?」
 至近距離で近付けば、どのアンドロイドだって気付くというのに。





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よう、どうだい調子のほうは?

そういえば高校3年生だっけかな?


こんばんは☆

はい、高校三年生です…。
大学進学とかで、いろいろ大変です…

本当は小説なんて、
のん気に書いてちゃいけないのかもしれないです…





プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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