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2012.05.02     カテゴリ:  Duty-本編- 

   31話 光のない部屋






 足元を照らす照明しか光源のない暗い廊下を、大きな黒いポリカーボネイトのキャリーバックを引く男が歩いていた。
 茶色の髪のその男は黒いドアを前にすると2度ノックをして、中からの返事を待った。しかし返事はない。深いため息をつき、茶髪の男は何の躊躇もなくドアを勢いよく開け、中へと入ってしまった。
「呼びつけておいて、ひどい扱いするんですね。相変わらず、あなたは。」
 茶髪の男が入った部屋は接客用のテーブルと黒いソファーがあるものの、やはり中は暗かった。部屋の奥でやっと捉えられるほどの人影が見える。どうやらこちらに顔を向けている。この茶髪の男はその人間に話かけているようだ。
「…やはりお前は呼ぶとすぐに来る。」
 低く、静かな声が聞こえてきた。部屋の奥にいる人間はどうやら男のようだ。男は大きな書斎の椅子からゆっくりと立ち上がり、言葉を発した。
「飛行機に乗るのがどれだけ大変だか、人間のあなたには分かりませんよね。オレは本来、貨物室に入るべき“モノ”ですから。」
 冷たい声で茶髪の男は言う。部屋の奥にいる男の背後には大きなブラインドカーテンが下ろされているため、頼りない光りしか差し込んでこない。そして部屋の奥にいる男はブラインドカーテンに手を掛け、またゆっくりと言葉を発した。
「何の用もなく、お前を呼んだわけじゃない。…これを見ろ。」
 部屋の奥にいる男は、書類を差し出した。ドアの前でキャリーバックに手を掛けていた茶髪の男は、それに目を通すために接客用のソファーとテーブルの間を縫うようにキャリーバックを引きながら男に近づいた。部屋の奥にある大きな書斎の前に来ると、茶髪の男は資料を受け取った。
「3、4年前の実験で作った、サンプル用のアンドロイドだ。」
 ブラインドカーテンに手を掛けていた男は、薄い青色のネクタイをしていた。キャリーバックに手を掛けたまま、資料を見つめる茶髪の男は表情を変えずに、青色のネクタイをした男に言った。
「相当趣味が悪い実験ですね。こんな狂ったようなアンドロイドを作るなんて。」
「試してみたんだ。頭脳型と戦闘型を組み合わせたらどうなるのか…。結局失敗に終わった。容量オーバーで頭は言葉も理解できないほどに、回路は体の動作情報に圧迫されて、体はもはやアンドロイド、人間の動きを基本にしたとは思えないものになってしまった。そのサンプルのアンドロイドに数体のアンドロイドが壊された。最後は自爆だった。破壊力はあったが、その勢いで自らも破壊した。」
「よくある大学で作るロボットと同じですね。」
 資料を持ったまま、茶髪の男は引きつった笑みを浮かべた。
「それでどうしてオレを呼んだんです?こんな過去の実験の話をするためですか?」
「…そのサンプル用のアンドロイドと同じ状態のアンドロイドがいる。」
「どういうことです?」
 低い声で茶髪の男は聞き返した。
「欠陥品として人間社会に存在している。」
「…有り得るはずがない。そんな狂ったアンドロイドがいたらどのアンドロイドでも気付くはずですよね?」
「デストロイド。」
 その言葉に茶髪の男の目は見開かれた。暗い部屋の中でもっと深い色をした空気がじわりと流れ始めた。
「今なんて…?」
「お前はアンドロイドだ。オレに2度も言わせるな。5年前だ。奴はデストロイドと一部のアンドロイドから呼ばれていた。」
「勿論覚えています。でもデストロイドはオレが確かに殺しました。奴が欠陥品だという疑いは昔からありましたが…まさかそんな。」
「奴は生きている。お前にタグを奪われたままな。その状況を逆手にとって、奴は三流アンドロイドの中に紛れ込んでいる。死んだことにしてな。」
 茶髪の男は資料を大きな机の上に置き、俯いた。
「それに1人、怪しい三流アンドロイドがいる。狙撃に長けた頭脳型だ。オレはそのアンドロイドを奴だとみた。」
「…要するに、オレは失敗していたということですか?」
「責めているわけじゃない。お前はアメリカへ行って、向こうのアンドロイドの情報をよく探っている。ただオレは、奴を壊す機会を一番最初に与えてやるのは、お前でなければならないと思った。どうだ?やるか?」
 ブラインドカーテンを開け、部屋の中に光りを取り込むと、2人の男の姿がはっきりと捉えられた。青いネクタイをした男の長いまつげに守られた瞳は、窓の外の高層ビルや遥か下に見える大きな道路を通る車を見つめ、そして書斎の正面に立ち尽くしている茶髪の男に向く。


31-1





茶髪の男は髪を後ろに束ね、鋭い目をして青いネクタイをした男を見据えていた。
「やったらどうだ?Dutyの名にかけて。」
「やります。…喜んで。」




31-2





 その男は











セナと全く同じ顔をしていた。





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ゴールデンウィークは執筆に勤しむのかな?


こんにちは!
はいw

でも宿題が多くて
パニクってます!

小説も今いいとこなので、
両立目指して頑張りますよ☆
宿題か、まあ、義務は果たさんとなあ。


いやぁ、小テストもあるんです(泣)

困ったものですよw
そうかあ、俺ももうテストなんて願い下げだあなあ。

どっか、出かけないのかい?


これからはとくに
出かける予定はないですねw

友達から遊ぼうと誘ってもらったのですが、
課題が終わってなかったので(泣)




プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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