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2012.03.25     カテゴリ:  Duty-本編- 

   22話 ネオンと彼女





「5年前。オレは毎晩のように、東京の古びた路地の卑俗な店が立ち並ぶ街を放浪してたんだ。」
「ちょっと待って。卑俗な店って?」
「一々言わないと分からない?ホテルとかそういう所。オレに言わせないでよ。」
 彼は不機嫌に私に振る舞った。話を聞いてやっているというのに、何という扱いだ。帰るぞ。
「セナもそういう所、行くんだね。」
「まぁ、オレもその頃は荒れてたからね。」
 そう言って彼は私に優しく微笑んだ。

 ギラギラしたネオンがやけに下品に見えた。そんな通りをただ歩いていると、2、3人の男ともめている人間がいた。だんだん近づいて行くと、それが女の人だと理解できた。周りの疲れを癒しに来たサラリーマンも、店で働いている女たちもただの傍観者。やっぱり誰も助けようとはしなかった。まるでよくあることみたいな顔をして、いつも通りに知らん顔をしようっていうのが表情からすぐに読み取れた。
 知ってるでしょ?オレがそういうことを見過ごせない性格だって。オレが奴らに近付いて行くうちに、あろうことか男たちは女の人を車に連れ込もうとした。近付いて来たオレに気付くと、思った通り囲まれた。何て言い出そうとしていたのかは全く分からない。けれど大抵そういう奴らが口にする言葉は、どこで覚えたのかも分からないような罵声と、野良犬にでもくれてやればいい汚れた言葉。

「そんなもの、聞いてるだけ無駄だと思ったから、銃突き付けたんだよね。」


22-1



「…え!?」
「それが人間に銃を突き付けた最初で最後だった。今思えば馬鹿なことをやったと思ってるよ。いくら夜の街でも、警察は24時間、どんな小さな路地にだって駆けつけられるからね。」
 私は口の中に溜まった唾を、息を止めて飲み込んだ。

 野次馬っていうのは、自分の身に危険が及ぶ可能性が出てくるとすぐに逃げたり、隠れたり、助けを呼ぶもの。連れ込まれそうになっていた女の人を見ていた時は警察に電話もしなかったのに、オレが銃を出した途端に数人が店の中に駆け込んで110番を押し始めた。オレは別に何も恐れてはいなかった。すぐに逃げれば何とでもなると思い込んでいたから。けれどその計画もすぐに打ち砕かれた。
 男に銃を向けたオレを見上げていたのは…女子高生だったのだ。それが有里香だった。女子高生となれば、ひとまず安全なところに連れて行くことが必要だった。ただどうしようもない男たちを追い払っただけでは、また同じような奴に捕まるのが落ちだ。この場所にいること自体、彼女には危険だった。
 オレは銃を向けられて腰を抜かしている男たちを押し退けて、彼女の手を掴むと、走ってその汚らしい街から出て行った。
 線路が通っている橋の下をくぐって、大通りを走ってやっと安全な住宅街に来た頃には、もう彼女は息絶え絶えでふらついていた。人間に興味も関心も、ほとんど話したこともなかったオレは、声を掛けてあげることもせずに、ただ冷たい目で彼女を見下ろしていた。
 俯いて荒い呼吸をしている彼女が少し落ち着いた時、オレは掴んでいた彼女の手を話して警察から逃げるために工場に帰ろうとした。背を向けた瞬間着ていた青いパーカーを彼女に引っ張られて、面倒だなと思いながら振り返ったら、彼女はオレを真っすぐに見つめていて、その顔は異常なほど白くてアザだらけだった。
 彼女の家は3年前に暴力を振るう父親から逃れるために母親が出て行って、その頃くらいから彼女は父親に暴力を振るわれていた。兄弟もいなかった彼女は耐えられなくなって、家を飛び出したらしい。何の計画も立てず、誰に助けを求めればいいのかも考えていなかったから、彼女は見るからにあんな馬鹿そうな男たちに捕まったんだ。驚いたことに彼女はまだ自分の過ちに気付いてもいなかった。
 今晩オレの家に泊めてほしいと切実に言うのだ。



22-2







「馬鹿にも程があると思ったよ。そんな旅番組じゃないんだからさ。現実だよ?カメラマンいないんだよ?オレ銃持ってるんだよ?『銃を持っている男の家に泊まるとどうなるのか!?』なんてゴシック体の可愛い文字から始まるゴールデンタイムのバラエティ番組じゃあるまいし。泊まったら確実に生きて帰れないのは目に見えてるだろ。」
 セナが初めて彼女の文句を言っているところを見た。しかしそれは一部私と重なる部分がある。
「…でも、今思えば生きて帰れなくなることを望んでたのかもね。」
「どういうこと?」
「オレに殺して欲しかったのかもしれない。」

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キラキラのグリーンの瞳(^^♪
すてきー☆


ありがとう☆

頑張って描いた甲斐がありましたぜ!

これからもよろしく
お願いします!
ええ~っと、第一話 どこだああ!!!!????


わぁああああ!!!

読んでくれるんですかぁ!?

http://hiizonhiizon.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

↑1話です!

これで分かりますかね・・・(笑)
ああ、オリゴとう ございます。
ヒマに任せて、拝見させていただきます。

いえいえ☆
こちらこそ!

とても嬉しいです。
これからも絡みましょう!!!
おひさしぶり、テンプレートかえましたね?
ずいぶんと、スタイリッシュになりましたなあ。


おぉ☆
ありがとうございます!

どうでしょうか…
以前はこれだったのですが、
一時的にブログ形式にしていました。

もっと良いテンプレがありましたら、
教えてくださいね☆
HTMLとかCSSだとか、ああ、あとJava-scriptをいじって、自分のオリジナルのものにしてみては?

やれば、クセになりますよ。

俺のほうも、単純な単位では画像なんかは自分で作った奴で、ブログを飾ってますよ。

例えれば、タイトルとかね。昔、オートバイのメーカーにデザイナーとしていたときは、WEBショップのボタンなんかは、自分で作ってましたよ。

まあ、珍しいこっちゃ無いが…


おぉ。私もときどきやってみてます。
でも素人なもんで、難しいです…

すごいですねぇ!
デザイナー!?

かっこいい…
いや、デザイナーなんてぼろい商売ですよ。世間からは、遊びながら金もらってる、みたいな言い方をされることも度々でねえ。

まあ、最初はぎごちないながらも、進めていけばいいですよ。
何事もそうですが、最初なんてみんなそんなもんですよ。
時間をかけ、手をかけた分、自分の物となる


厳しいですよねぇ。
世間は。

でも自分が楽しいって思っていることを
仕事にできるのは幸せですよ。きっと。

って私が偉そうなこと言ってw

リンスさんは物書きになりたいのですか?


う~ん。
大学はそういう方向で考えています。
なので勉強はそこそこ頑張ってるつもりです…(汗)

でも難しいですよね。
私は独りで書いて、
自分で満足してるだけでもいいんですがね…

でも、
欲を言うと
この気持ちを共感してほしいという…


まぁ、自分の好きなことを
好きなだけ頑張りたいです。

書くことがあったから、
今私は生きていられるので…

書いていなかったら、
私は確実に


死んでました。
う~ん、そうか。
まあ、俺もねえ。絵を描いているですがねえ。
やっぱり、仕事の忙しさにかまけて、描かなかった日々がいくつもありましてねえ。

その時は、わけのわからない鬱積が溜まってきたり、とっても不安定な生き方をしていたように思います。

きっと、俺も再開していなければ、死んでいた もしくは、死んだも同然になっていたかもしれません。

それでも、やはりねえ。描かずに生活していた日々もねえ、死んではいませんでしたが、逆に生きてもいなかったかな?


私も同じ感じです…

生き死にで表現すると、なんか重苦しくなっちゃいますね…


でも私、
もともとは書くことが嫌いでした。
姉は書くことも読むことも好きだったのですが、

私は4行書くだけでも2時間かかるという状態でした。
ってか、書きたいって思ったこともなかったんですよ。

でも姉が死んでからしばらくたって、
なぜかスラスラ書けるようになったんですよね…
まぁ、
たまに詰まる時もありますが…


母と一緒に、
姉が降臨したと笑っています(笑)
なるほど、まあ、それはご自身の才能あっての話ですよ。

まあ、時間がかかるのは、それだけ真剣に言葉を吟味している、何よりの証拠じゃないですか?


ありがとうございます。
才能だなんて…ただの妄想です(泣)


吟味というより、
ストーリーに時間がかかっているかもしれませんねぇ。


言葉というか
私、まだ語彙が少ないんですよねぇ。

反省してます…

ほうほう。
ストーリーには時間がかかるでしょう。
私もたまに愚にもつかないような、物語を考えますが、やはりストーリーには随分と頭をなやましますね。
「こうなったのには、こういう理由がある」っていうような、つじつま合わせが大変ですよねえ。

あとは、資料を調べたりしているうちに、ストーリーが独り歩きを始めて、当初の話とは変わってしまっているとか、物語を考えているのではなく、物語に考えさせられている、って感じになって

あっ!分かります!

一度書いて読み返してみると
矛盾だらけだったり…

そういうときは
がっかりしますよね…

最初思っていたstoryにならなかったり…

でも私は今回、
ラストはほぼ決めているつもりなんです。

なので、あとはゴールに向かうまで
矛盾が発生しないように頑張るだけってわけです。


でも、ゴールがなく、
旅するように考えるのは

楽しいですよね☆
こんばんは

どうでしょう。あえてラストを想像せずに、成り行きにまかせ、文章そのものに 好き勝手に大暴れしてもらって、自分は 脈絡が逸脱しないように監視する役目だけを担ったつもりで書くと言うのは?

展開もラストも分からない、文章自体にペースを持っていかれているわけだから、思わぬ面白さがあるかもしれませんよ。


そうですねぇ。

まぁ、書いている間に、結構新しい発想とか浮かぶ時もあるんですけどね。
それは成り行きにまかせていると言ってよいのでしょうかね?

やっぱり
旅してみるのも面白い…
あれ? また、テンプレートが元に戻っているような…

返信遅くなりましたw

はい…

以前のテンプレートで
改造して
注意を受けてしまったので、

元に戻したんですw泣




プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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