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2013.05.10     カテゴリ:  Duty-本編- 

   72話 限界



 一定の距離を保ったまま、撃ち合いながら走る。もはや互いに自分の身体に当たる銃弾のことなど考えてもいない。自分が相手に当てることだけを考える。数発当たったとしても、死なないのだから。頭に、当たらない限り。
 銃を撃ち合っている最中、セナが左手でナイフを手にしたのが見えた。来る。そう思い、セナの左手にあるサバイバルナイフへとめがけて銃を放ち、ナイフをセナの手から飛ばした。セナは飛ばされたナイフに目を向けることも無く、ジャンバーのポケットへと左手を忍び込ませ、折り畳みのナイフを手にした。それはいつか、理真がリストカットした時のものに似ていた。黒い刃と柄が、ギラリと妙な光り方をする。
 ナイフに気を取られていると、頬を掠めて銃弾が飛んでくる。瞬きなどしない。目を閉じた瞬間が一番危険なのだ。少しずつ近付いて来るセナに、デューティはナイフによる戦法に警戒する。その時だった。ナイフがセナの手元から離れ、自分の顔へと飛んできたのだ。先程よりも一段と速さが増して飛んできたナイフに、やっとの思いで避ける。しかし刃が髪を掠めたため、結っていた髪のゴムにナイフが当たった。髪がバサバサとほどける。
 デューティとセナは瓜二つのようだった。型版が同じだから似ていて当然なのだ。いや、似ているのではない。外見は全く同じだ。異なっているのは中身だけ。
 おかしいと思った。先程までも、奴は強い力を持っていたが、あのナイフの飛び方はあまりにもおかしい。奴は勢いもつけずにナイフを投げていた。銃をデューティに向けたまま、セナはニヤリと笑みを浮かべ、舌舐めずりをした。それを見て、デューティは眉間に皺を寄せる。束の間の静けさの中で、デューティの声が広いエントランスに響き渡った。
「お前は狂っている」
 セナは何も答えなかった。笑っている目は充血し、瞳は発光している。白い歯は鋭く光り、身体中の血管が浮き出ていた。
「お前は人間でもアンドロイドでもない。ただの化け物だ」
 身体はアンドロイド。心は人間。それはアンドロイドとして分類されるだろうが、オレにとって、それはアンドロイドではない。得体の知れない、ただの化け物なのだ。
 侮辱されているにも関わらず、セナは奇妙に笑ったままでいた。
「……言葉も分からなくなったか」
 コイツは限界を越えてしまったのだと、デューティは思った。弱い心で必死に制御していた狂気が暴走し、奴の心が壊れてしまったのだ。製造者・フジオカが行った戦闘型と頭脳型の混合実験のように、破壊し尽くして最後は自らの心をも破壊した。



72-1



 精神が崩壊した以上、ある程度奴を泳がせれば時期に自滅する。その方が早い。






オレも愚かだが、コイツはオレ以上に愚かだな。








 人間の心が身を滅ぼすのだ。もっと早く、自分の持った心を捨てるべきだったな。そうすれば、コイツは身体と心の拒否反応から生まれた狂気を、もう少し制御できただろう。人間の弱い心ではなく、アンドロイドの鋼の心を持ってさえいれば。
「馬鹿な奴だ。お前は限界を越える手前で止めておくべきだった」
 人間の心が捨てきれなかったとしても、今まで上手く狂気と付き合ってきたお前は、戦闘に夢中になるほど伴う危険性を理解していたはずなのだが。



 徐々に見開かれていく発光したセナの瞳を平然と見つめたまま、デューティは呟いた。
「その厄介な人間の心が壊れた以上、オレにとってもう怖いものはない。ましてや限界を越えたお前は、もう死ぬだけだ」
 ガチャリと銃のスライドを引く音が聞こえた。奇妙に笑っていたセナの顔から笑みが消え、デューティへと向かって走り出した。
「無駄だ!!」
 デューティは銃を放ち、大声で叫んだ。銃弾を避け、セナが近付いてくる。発光した瞳の残像が一段と強い光りを放ち、みるみるうちに近付いて来る。目眩を起こしそうになった。セナに胸倉を掴まれ、頭に銃口を突き付けられる。負けじとセナのジャンバーの襟を掴み、彼の額に銃を突き付ける。





72-2






銃声が鳴った。










どちらのものかは分からなかった。
















      (゜Д ゜)・・・・・・。



ど、、、どっちに、当たったの……!?


一体、、、どっちに……!?











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プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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