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2013.04.22     カテゴリ:  Duty-本編- 

   70話 No.1




 これが現実なのか、良く分からないまま、ピアスを通して返事をした。
「はい」
 自分でも落ち着いた声を出すことができたと思った。動揺など微塵も感じさせないくらい、滑舌よく返事ができた。
『悪いが、もういい』
 聞き慣れた少し低い声が、そう口にした。何がもういいのだ?そう思ってしまい、返事をすることを忘れた。
『お前の目を通して、デストロイドとお前たちのやり取りを全て見ていた』
 目……。ふと自分の目の前に左手を持っていく。ここから彼は……フジオカは全てを見ていたのか……オレと共に。フジオカの言うやり取りとは勿論会話も含まれているだろうが、大半は戦闘だろう。
 次の瞬間、信じられないことをフジオカは口にした。
『奴はお前の数倍、場合によっては数十倍強いだろう。勝つのはおそらく不可能だ』
 視界が真っ暗いになり、目の前に寄せていた左手も見えなくなった。分かっていた。勝つことが難しいことなど、自分でも分かっていた。しかし奴に勝つことが不可能だとは思ってもいなかった。1ミリの可能性もないとは思ってもいなかったのだ。自分のことを誰よりも知っている製造者に、不可能だという言葉を投げられた。唖然とした。
 フジオカが不可能だと言ったのだ。ならば、勝てるはずがないのだ。ここで殺されるしかない。勝つことは不可能なのだから……。
『お前に最後の任務だ』
「さ、最後?」
『あぁ。お前にあのデストロイドを本部まで、殺さずに連れて来て欲しい』
 どうしてだ?最初は始末しろと言っていたではないか。命令が一転している。どうしてだ?
 まさか、デストロイドを政府直属のアンドロイドにするつもりか!?
『お前はもういい。無敵でなくなったお前に、もう用はない』
 もう用はない?オレはいらないと?オレをNo.1の座から引きずり落とすというのか?そしてデストロイドをNo.1にするというのか?
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
 そんなこと、無茶苦茶だ。さっきまで、ついさっきまで殺せと……。
『強さがものを言う。それはお前が一番よく理解しているはずだ』
「オレはもう、本当に必要ないんですか?」
『Dutyの名は返してもらう』
 名を奪われるということは、その型版の代表作として相応しくなくなったということだ。完全に捨てられたのだ。
『これからは、奴がDutyだ。いいか?死んでも奴を連れて来い』
 名を奪われた今、もう名乗る名など持ち合わせていない。もう、ただのアンドロイドだ。政府に捨てられた、みすぼらしいアンドロイド。
 ……どうしてだ?今まで……約10年間、忠実にあなたに従ってきたというのに。今までオレがやってきたことは、一体何だったのだ?いや……違う。“もっと強いアンドロイドを”と望むあなたの気持ちは間違ってはいない。むしろ正しく、正常なことなのだ。あなたは悪くない。
「分かりました」
 悪いのは自分なのだ。捨て駒のブレイズさえ、上手く使えないまま失った、自分のせいなのだ。それは充分分かっている。だが、あなたは身誤っている。デストロイドと自分のどちらがNo.1、そして“Duty”に相応しいか。総合的に考えたらオレの方が相応しいに決まっている。“デストロイド”にはどこかおかしくて10年間の三流生活で培われた、ねじ曲がった意思がある。おそらく、あなたに対して素直に従事することはできないだろう。そんな奴を、あなたが手元に置いたら?味方として手元に置いたら?いつ奴が裏切るか分からない。戦闘能力が高いほど、あなたの身は危険になる。それがまだ、あなたは見えていない。
『切るぞ』
「待って下さい!」
 通信を切られそうになり、慌ててデューティは言葉を口にした。しかしその先が続かなかった。言葉が思い付かない。何と言えば効率がよいのか、何と言えば合理的なのか。だが分かっていた。もう何を言ったとしても無駄だと。
 あなたは目の前の“デストロイド”しか見えていない。オレのことなど、全く見えていない。オレもう過去の産物。過去の作品。
 一度目に入った“デストロイド”をあなたの視界から一掃することは不可能だし、それにあなたに従事することは、もうできないだろう。そう考えると、会話をするのはこれで最後だ。
「造ってくれて……ありがとうございました」
 フジオカは何も言わなかった。数秒経って、通信がプツリという音とともに切れた。
 NO.1という肩書を失った自分が、とても小さく見えた。ぜんまい仕掛けの、ただの人形のようだ。いくら有能な番犬でも、主を失えばただの野良犬だ。ある意味、オレはデストロイドと同じ土俵の上に降りたってしまった。
 ふと自分がアンドロイドとして目を覚ましてから、初めて製造者の意思に逆らおうとしていることに気が付いた。政府のアンドロイド製造本部まで、奴を連れて行く気など毛頭ない。
 奴が政府No.1と言う肩書を背負うなど無理に決まっている。当然だ。奴にNo.1の肩書は重過ぎる。もし奴がNo.1になるようなことがあったら、アンドロイド界は廃れ、腐敗し、政府を倒そうとする三流アンドロイド共が暴走するだろう。
 オレがまだ生きているにも関わらず、奴が政府のNo.1となり、「Duty」と名乗る。それが許せないのだ。オレが今まで誇りとしてきた、10年間呼ばれ続けてきた大切な名を……。空け渡すことを許さなかったNo.1の座を……奴は。
 死んでも阻止しなければ。三流の、それも欠陥品に、全てを奪われてたまるか。オレが生きている以上、No.1の座に相応しいのはオレ。『Duty』と名乗ることができるのはオレだけ。あと1体として、この世に存在しないのだ。


70-1






 静かにカーペットを歩き、こちらへと近付いて来る足音が部屋の中から聞こえてくる。半ば喪失感と怒りで、デューティの意識は遠のきつつあった。それを強引に引き戻す、低い声。
「いいかのか?アイツ、死んじまったぞ?」
 殺したのはお前だろう。それが言えない。
「助けなくてよかったのか?」
 どうせブレイズは捨て駒だったのだ。上手く使えなかったことには後悔しているが、ブレイズ自身を失って困ることは何もない。
「冷たい奴だな」
「お前がそんなことを言える立場か?」
 やっと声が発せた時には、もう既に奴はオレの目の前にいて、座っているオレを見下ろしていた。
 もう明らかにセナではなかった。彼は1体の恐ろしいアンドロイドになっていた。
「三流の……クズが」
「そうだ。クズだ。お前ら見たいに汚い人間に依存して生きているアンドロイドと、オレは違う。毎日毎日生きるのに精一杯だ」
 セナの言う汚い人間とは、製造者のことだ。
「……5年前、オレから逃げたくせに、『生きる』なんて言葉がよく遣えるな。あの時から既にアンドロイドとしてお前は死んでる」
 セナの鋭い瞳が怒りに満ちる。だがデューティはそれを知りつつ言い続ける。
「依存?製造者無くしてオレたちアンドロイドは存在しない。お前のようにくだらない女に依存するのは、それこそ欠陥品だ」
「お前の言う通り、オレはあの子に依存してる。お前らが製造者に依存するように。だけど彼女は人間として美しかった。それに、オレはちゃんと想いがあった」
 セナの瞳から少しずつ怒りが消えていく。
「オレたちに……思いがなかったと言いたいのか?」
 デューティは眉間に皺を寄せて、セナを睨み返した。
「そうだ」
 セナがそう口にした瞬間、デューティは銃を手に取り、セナに発砲した。セナは身を翻して銃弾を避け、自らも銃を手にした。
「思いが無かったって?オレは10年間、あの真っ暗な地下の水槽で目を覚ました時から、忠実に尽くしてきた!どんな任務でもこなしてきた!これが義務だとしても、オレはあの人に感謝してきた!たくさんの思いを込めて戦ってきたんだ!」
 喚くように、デューティがセナに銃口を向けたまま大声で言った。
 義務の中には思いの塊があった。やらなければならないことだといって、いやいややっていたわけではない。やりたい、尽くしたいと思うことが偶然義務として存在していた。だから幸せだったのだ。
「お前の義務が製造者に尽くすことなら、オレの義務はあの子に尽くすことだ」
 セナがポツリと口にした。
「お前の思いとオレの想いは違う。オレはあの子を愛してる」
 その言葉を聞いて、デューティは固まった。




えっ!

フジオカ(製造者)さん!?



政府のNo.1をセナ君にするつもり!?

ちょっと待って待って!


だけど現No.1のデューティはその気はないし……

いやいや、

デューティはフジオカ(製造者)さんの命令、聞かないつもりなの!?

命令に逆らうの!?





つ、、、、ついに


セナvs政府No.1(デューティ)!?





ど……どうなっちゃうのさぁぁあああ!!!!







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プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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