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2013.04.07     カテゴリ:  Duty-本編- 

   68話 狂暴化



 脳みその芯まで突き抜けるような声に、思わず銃の引き金を引きそうになった。
「なんだ?うるさいぞ。奴はいたのか?いなかったのか?」
 あまりにも音が大き過ぎて、何を言っていたのかは分からないが、今の声はブレイズの他ない。地声が大きいブレイズに対処するため、デューティはピアスを指で押さえ、聞こえてくる音を小さくしようと試みた。
『だ……だめだ』
 次に聞こえてきたブレイズの声は、あまりにも小さく、声が大きい時のための対処法をしたために、今度は何を言っているのか聞こえなかった。
「何だ?今なんて言った?」
『……アイツは化け物だ』
 はっきりとブレイズの怯える声が聞こえた。なんだ情けない。アンドロイドだというのに。
「奴がいたのか?」
『コイツ、逃げたんじゃなかったんだ。1匹ずつ……効率よく殺すために、オレとデューティが手分けするように仕向けたんだ。罠にはまったんだ……』
 何て奴だ。先程の威勢の良さはどこにいったのだ?今では蛇に睨まれた蛙ではないか。
『頼む……助けてくれ!!!殺される!』
「ったく、使えないカスだな」
 これ以上ブレイズの泣き言を聞いていても、面白くもなんともない。だから勝手に通信を切った。こんなにもブレイズが使えないのなら、1人でこの任務を請け負った方がマシだったと思わずにはいられなかった。




 廊下は静かだった。この周辺でアンドロイドの壊し合いが横行しているとは思えないほど、静かだった。ブレイズの向かった方向はこちらのはずなのに、何の気配もしない。ブレイズのことだ。途中で方向を変えて、手前で角を曲がったのかもしれない。そう思いつき、方向転換をしようとした時だった。べたりという淡白な軽い音がした。一度背を向けた廊下をもう1度振り返ると、右側の遠くのドアから何かが飛び出していた。
 何だと思い目を凝らすと、それは血塗れの腕だった。肘から下は部屋の中のためか見えない。肘から上が部屋から飛び出している。最初は千切れた腕だろうかと思ったが、どうやら違っているらしい。僅かに爪がカーペットの毛を引っ掻いている。
 デューティは足早に、腕が飛び出している部屋の入口へと歩き出した。銃を手に取り、いつでも発砲できるよう、スライドを引く。しかし足が止まった。飛び出していた腕が、誰かに引っ張られるように部屋の中へと引きずり込まれていったのだ。異様な状況に、デューティは突入ではなく、様子をうかがうことから始めた。
 気配をなるべく気付かれないよう、部屋の入口の近くまで歩み寄り、部屋の中から自分の姿が見えないよう、廊下の壁に背を預けて座り込んだ。すると部屋の中から大きな音が聞こえ、それと同時に地面が不安定に揺れた。一体中で何が起きているのか、全く分からない。
「な、なぁ。許してくれよ……何でもするから」
 ブレイズの声がする。ブレイズの怯えた、弱々しい声が聞こえてくる。
「頼むから……殺さないでくれよ。オレ、こう見えて結構使えるアンドロイドなんだぜ?」
 間違いない。命乞いだ。よくもまぁ、三流アンドロイドの欠陥品にそんなことができるものだ。もし自分だったらプライドを捨てる前に、命を捨てることを選ぶだろう。
「……使える?何にだよ。お前みたいな低能が使えるわけねぇだろ。何言ってんだお前」
 固まった。誰の声かと固まった。このやけに暗い闇を纏ったような声は誰のものだ?いや、分かっている。デストロイドだ。だがもう奴は別人になっていた。狂暴化だ。そう直感的に感じた。だがここまで顕著に、それも突然変わるなど予想もしていなかった。
「何でもする!本当だ!あぁ、そうだ。お前をオレが殺したっていうことにして、お前を逃がしてやってもいい!なぁ?これはいい話だろ?」
 呆れた。デストロイドに手を貸すなど、なんてことをしてくれるのだ。……このままではブレイズはデストロイドと手を組んで、奴を逃がすだろう。阻止しなければ。また消えてどこかに行ったなど、聞きたくない。また一から探すなどごめんだ。
 ……仕方ない。ブレイズを殺すしかない。今一番邪魔なのはブレイズだ。元々オレにとって邪魔な存在だったが、今はオレの義務を邪魔する存在だ。ただの邪魔な存在にはまだ耐えられるが、オレの義務を邪魔する存在には我慢できない。もう本当に邪魔だ。足を引っ張られるどころか、パートナーとして恥をかきそうだ。
 名が汚される前に始末しよう。そう思ったが、どうブレイズを殺すかに迷った。この部屋の中にはブレイズともう一体、デストロイドがいる。
「お前がオレを殺したってことにして、お前は政府に戻るつもりか?結局欲しいのは地位か」
 セナの低い声が聞こえる。
「ち、ちげぇよ!お前のためを思って」
「本当、都合のいい奴だよな。お前」
 少しだけセナが笑った。その気の緩んだようなセナの声に、ブレイズは助かったというように声を明るくした。
「オレの提案に乗るんだな!?」
「はぁ?乗るわけがねぇだろうが。オレはお前に相当キレてんだよ」
 乗らないという答えを出したセナに、廊下で息を潜めているデューティは唖然とした。ブレイズの提案とはいえ、デストロイドにとっては美味しい話だ。それをなぜ受け入れない。なぜ乗らない。
「なんだよ……あれだけオレを蹴飛ばしても、あの女のことで怒ってんのかよ……。悪かったって、言ってるじゃねぇかよ……」
 再び恐怖からか、ブレイズの声が震える。少しの間をおいて、ブレイズの短い悲鳴が部屋の中から廊下に聞こえてきた。今部屋の中で何が起きているのか察知しようと、デューティは必死に部屋の中を覗こうとする。



68-1




「ナイフ使いは、ナイフで殺すっていうのが礼儀だろ?」
 その声に触発されたかのように、デューティは部屋の中を覗き込んだ。






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ひぃこも元気にしてるかな? ウチはいきなりいろいろ声かけすぎて、誰かに声かけられたりすると、あれ?誰だっけ?となることが多々ある日を送っています(笑) 慣れないうちはまだ忙しいよねー(;_;) 絶対遊び行くから、地理任せたよ~( ̄∇ ̄)


そっかそっか~!
ウチも何とか楽しくやってるよー!
ときどき、授業中眠くなったりするけどね(笑)

やっぱり新しい土地に来て、少し疲れてるのかも。

今日は昼寝したからスッキリしたよ(笑)






プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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