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2013.03.13     カテゴリ:  Duty-本編- 

   65話 変貌


 ナイフを出したが、間に合わなかった。銃弾が左肩を掠めた。久しぶりに見る自分の血液に、ブレイズは恐怖ではなく、興奮を感じた。面白くなる予感がした。先程まで、奴は自分より上回っているとさえ思っていたが、今ではそんなことはどうでもよくなってきた。
「血ぃ……血だぁ。すげぇ。久しぶりに見たわ」
 そんなブレイズには構わず、政府のデューティはセナに銃を放つ。それをセナは次々と避ける。そのため、廊下の壁に次々と銃弾が当たる。
「クソ……」
 デューティが珍しく顔を顰めた。
 セナの表情は冷静そのものだが、落ち着いた瞳は異常に光りを放っていた。アンドロイドは通常、戦闘時に瞳が光る。しかし彼の光り方は強過ぎる。異常なのだ。ここまで発光してしまっていては、いずれ目が焼けてしまう。
 目が焼けるのを待った方が、コイツは早く片付きそうだぜ?と心の中でブレイズは呟きながらセナを眺める。
 それにしても、やっぱ強いな。これで三流なんだからな。欠陥品でなく、心や人格も持ち合わせていなければ、もしかしたら製造者に気に入られてたかもしれねぇな。
 政府のデューティの銃声が聞こえた。それと同時にセナの左肩から血が飛び散った。デューティが放った銃弾がセナの左肩を貫通したようだった。
 チャンスだと思い、ブレイズはナイフを握り締め、セナへと駆け寄った。セナは撃たれた左肩を気にもせず、血を流したままブレイズのナイフから身を守ろうと、銃を持つ右腕でナイフを受けようとする。走ったままのスピードで、ブレイズはセナの右腕にナイフを突き刺した。しかし刺しただででは飽き足らず、ブレイズは左肩を銃弾がかすめたお返しと言わんばかりに、もっと奥へと力を入れた。
 セナは目を見開いた。右腕の肘と手首の間。ちょうど真ん中に、ナイフの刃先が貫通して出てきたのだ。ブレイズがまだナイフの柄に手をかけていることを察知すると、セナは貫通したナイフをブレイズ自身の力を使って引き抜かせるために、ブレイズの腹部に思い切り蹴りを入れた。ブレイズが蹴り飛ばされる時、ナイフの柄を持っていればよかったのだが、ブレイズはナイフの柄を手放してそのまま飛ばされた。
 右腕に依然として刺さっているナイフ。セナは眉間に皺をよせ、歯を喰いしばる。右手は言うことを聞かなくなり、持っていた銃が床へと落ちた。その銃を弾き飛ばすために、政府のデューティが銃を構える。
 とっさにセナは右足で、床に落ちた銃を踏んでそれを阻止した。
 右手に目をやると、指はおかしな形に力が入り、そのまま硬直していた。
「なに安心してんだよ。自分の腕にナイフが刺さったままだからって、一息ついてんじゃねぇよ。オレがナイフを1本しか持ってねぇとでも思ってんのか?お前」
 セナは右腕に刺さっているナイフの柄を掴み、勢いよく引き抜こうとした。しかし深くまで刺さり過ぎていて、なかなか引き抜くことができない。
「へへへ、だっせぇ」
 蹴り飛ばされたにも関わらず、上手くカーペットの上に着地したブレイズは、セナの姿を見て笑っていた。赤毛を揺らしながら下品に大口を開けている。
 突如、耳元で風を斬る音がして動きを止めた。ブレイズが床に目を落とすと、自分の赤毛がパサパサと落ちていた。
「あ?」
 なんで髪が落ちてんだ?と自分の後ろを振り返ってみると、廊下の突き当たりの壁に、血のついた自分のナイフが突き刺さっていた。
「あれ?オレのナイフ」
 正面へと戻り、セナへと目を向けると、彼の右腕にはナイフが刺さっておらず、ブレイズは首を傾げた。
「え?」
 もう1度、壁に刺さったナイフに目を向ける。
「ちょっと待てよ……」
 言葉に詰まった。風がセナの方から吹いてきたのだ。無論ここはビルで、普通なら風など入り込んではこない。もしかしたら銃弾によって窓に穴が空き、そこから風が侵入してきたのかもしれない。しかし吹いてきた風は、なぜか生ぬるかったのだ。
 その感覚とともに視界に飛び込んできたのは、力の抜けたような絶望に打ちひしがれたようなセナの表情だった。発光する瞳を細め、こちらをじっと見つめている。
「な……なんだよ」
 意味が分からない。デューティも銃を手に眉をぴくりと動かした。セナの右腕、ジャンバーの袖からは血が滴り落ちている。青いカーペットに血のシミを作っていた。
「何なんだコイツ……。気持ちわりぃ……」
 そうブレイズが口にした瞬間、セナは背後の腰の辺りに銃をしまい、代わりに鋭いサバイバルナイフを取り出した。そして殺気立った表情へと一転させ、ブレイズに襲い掛かって来た。
「なっ!」
 あまりにも早い右腕の動きに、ブレイズは後ろへと身体を仰け反った。



65-1





辛うじて自らのナイフでセナのナイフを受けると、ナイフに力を込めてセナを突き飛ばし、その瞬間にセナの頬を切り付けた。
「ほら見ろ!切れた!!!」
 大声を上げるブレイズに、セナが口を開いた。
「お前もな」
 セナの低い声で皮を切ったように、ブレイズの首から血が噴き出した。視界に入る赤い血に、ブレイズは固まる。切られた感覚など、なかったというのに……。動きの止まったブレイズを見て、デューティはため息をつき、セナを後ろから発砲した。壁やカーペットに彼の血が飛び散り、セナは瞬時にデューティへと振り返った。その狂った瞳にデューティは全く心当たりがなかった。彼とは5年前、戦ってはいないが1度会っている。しかしあの頃の瞳と今の瞳は全く違う。狂気と怒りが……満ち溢れている。
 ブレイズを放って、セナはデューティへと走り、襲いかかろうとしてくる。足が速いとは思ったが、見えないくらい速いというわけではなかった。左足を横に開いて屈み込み、銃を乱射した。しかしセナの手元に目を向けると、彼はナイフで銃弾を真っ二つに割っていた。白い煙の尾を残像のように残し、2つになった銃弾が壁へと飛んでいき、カランカランと音を立ててカーペットに落ちた。
 相当なナイフの使い手だと、デューティは感心した。しかし、感心と同情は全くの別ものだ。そのまま床についている足に力を入れて立ち上がり、セナへと走り出した。
 右手にあるナイフをしまい、セナが両手に持ったのは銃だった。それを見て、デューティは走っていた身体にブレーキをかけ、距離を置いてセナへと銃を放った。しかしセナは軽々と銃弾を避け、デューティに乱射する。デューティはそれをかわし、左手にも銃を持った。そして動き回るセナを仕留めるために、セナの頭部と足元の両方を両銃で狙った。頭部と足元、両方を狙われれば、どんなに動き回る奴でも片方に目を奪われ、どちらかが空く。それをデューティは期待していたが、セナは狙われている足元に銃を持ちつつ両手をつき、そのまま前方へと回転し、着地した勢いで跳び上がった。そしてデューティの頭上を越えて宙返りをした。
「あ゛ぁっ!?」
 切られた首の傷口を押さえながら、見ていたブレイズが声を上げた。
 デューティの背後に着地したセナを、デューティは背後に目を向けて睨みつけたが、セナはデューティの背後に目をやったまま、暗い廊下のどこかに消えて行ってしまった。




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プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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