FC2ブログ
アクセスカウンター


お知らせ
最新話→77話 生命と命←NEW! リンスのつぶやき→は、は、は…春休み!


Dutyバナー


--.--.--     カテゴリ:  スポンサー広告 

   スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

2013.01.30     カテゴリ:  Duty-本編- 

   59話 “リマ”








 誰もいない、白煙が立ち込める暗い廊下で、彼は独りきりになった。





あの頃と同じだ。






そう思った瞬間、一気に悲しみが込み上げてきて、思わず彼女の名前を口にした。
「……理真ちゃん」




“リマ”





 その名前の、たった1人の少女のためだけに、彼は生きてきた……



















 小さい君は、開けた家の扉に小さな身体を半分隠して、オレに手を振り続ける。もう家の中に入ればいいのに、君はその澄んだ眼差しでずっとオレを見つめていた。


59-1



まるでオレが人間ではないことを見抜いているようだった。
「リマー?帰って来てたの?遅かったじゃない」
 家の中から女性の声がして、身体が強張った。
「うん!遊んでたの!」
 無邪気で幼い君は、もうオレの存在を忘れてしまったかのように、躊躇なく家の中へと入って行った。しばらくして、鍵を掛けた際に聞こえる金属音がした。突然襲う喪失感と孤独。独りで生きていかなければならないというのに、オレはまだ君のことを考えていた。
君にもう1度会いたい。空は夕焼けから夜の闇へと移り変わろうとしていく。オレンジと深い青が広がる冷たい空の下で、オレは君の家の前でしばらく待ち続けた。……君がもう1度、家の外に出て来てくれるのではないかと思ったのだ。しかし君は姿を現さなかった。その時、小さいながらも、初めて絶望を味わった。





“寂しい”






ふと自分に心が生まれていることに気が付いた。先程までは何を見ても、何も感じなかったはずなのに、今は寂しいとさえ感じる。君と出会って、一緒に遊んだ拍子に心が作られたようだ。不思議と子供によって作られてしまったという焦りは全く感じなかった。
一気に世界の色彩が捉えられたような気がした。こんな感覚で君は世界を見ていたんだ……。あの笑顔を持った、君と同じ感覚を得られたのだと思うと嬉しかった。子供と同じ感覚を得たら、これから生きていく上で支障がでることは間違いなかった。それでも嬉しかったのだ。
オレは君にもう1度会いたくて、あの笑顔が見たくて堪らなかった。しかしアンドロイドである自分が、特定の人間の人生に2度も現れようなことをしてはいけない。感情と作られた頭脳がぶつかり合う。
その時だった。ある考えが頭をよぎった。
君が大人になって、オレのことを忘れてしまった時に、君にまた会いに来ればいいのだと。
 



 そう。アンドロイドということを隠して……。





人間の男として、君に近づこう。






59-2






いい考えだと思った。これから生きていく、過酷な人生に希望が持てる。どんなに汚いことをしてもオレは必ず生きよう。オレは生きて、もっと人間らしくなって金を貯めて、君が大人になったら君に会いに行こう。



 今思えば、おかしな考えだった。




59-3












 小さな希望を抱えて、オレは君の住んでいる家の近く、500メートルも離れていないところにある、廃墟となった工場に住みつくことにした。単に君を身近に感じていたかっただけ……。











 ある夜、アンドロイド製造本部からもらったリストにある、欠陥品アンドロイドの破壊の仕事をするために、そのアンドロイドが潜伏しているという場所に向かう途中だった。







 それは突然起きた。









スポンサーサイト
web拍手 by FC2








トラックバック

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
かっこいいです

ありがとうございます!

かっこいいだなんて!

こんなグダグダな小説ですが、
よろしくお願いします!

仲良くしてやってください!!!
こんにちは。
作品を拝見させて頂きました。
とても良かったです。
これからも素敵な作品楽しみにしています。
頑張って下さい。

お友達がたくさん出来て、投稿に参加する度ごとに直筆のカード式のファンレターが3~30枚以上届く文芸サークル(投稿雑誌)をやっています。
ネットでのやりとりも楽しいですが、ぬくもりが伝わるアナログでの活動は温かい気持ちになり、楽しさや幸せをより感じられます。
イラスト・詩・漫画・小説・エッセイなどジャンルを問わず何でも掲載しています。
月刊で180ページくらい。全国に約200人の会員さんがいます。
投稿される作品は新作でなくても構いません。あなたがホームページで発表している作品を雑誌に掲載してみませんか?
東京都内で集会も行っています。お友達や創作仲間作りにご活用下さい。

興味を持たれた方には現在、雑誌代と送料とも無料で最新号をプレゼントしています。
よろしかったらホームページだけでもご覧になって下さい。
ホームページにある申込フォームから簡単に最新号をご請求出来ます。
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/hapine/




プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

ブロマガ購読者向けメールフォーム


検索フォーム
すぴばる
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。