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2012.12.12     カテゴリ:  Duty-本編- 

   51話 無知




 夜のような暗い会議室に、私は椅子に座らせられていた。ガチャンと金属音がして会議室のドアが開くと、そこにはセナと同じ顔をした、あの知らない男がいた。
「アイツはすぐにお前を助けようとしにくる」
 私の携帯電話を持って、男は言った。ピンクのTシャツにブラックのYシャツを羽織り、モスグリーンのズボンを履いていた。先程の服装ではない。
 ……私は騙されたのだ。少しずつ冷静さを取り戻した頭の隅で思った。この男は、セナのフリをしていたのだ。私はそれに気付かずに、まんまと罠にはまってしまった。しかし、この男はセナと全く同じ顔をしている。髪は後ろに束ねているため、多少セナとはイメージが異なるが、もしやこの男はセナと同じ型のアンドロイドなのだろうか?
「奴に自分が来るまで、お前に半径3メートル以内に近付かないよう言われた」
「……え?」
 男は構わず私の半径3メートル以内に入って来る。
「危害は加えない。安心しろ」
 安心しろと言われても、安心できるはずがないだろう?
「お前も知ってるはずだ。……アンドロイドは人間を殺せない」
 ……しかしそれは規則だろう?規則は破ろうと思えば破ることができる。全く私が安心できる材料にはならない。そうだ。規則は破るためにあると言うではないか。
「お前、自分がどうしてこうなっているのか、理由は分かってるだろうな?」
「は…はい?」
 間抜けな顔をした私に、男は眉間に皺を寄せた。
「デストロイドのことだ」
「デ…デス?」
 男の眉間の皺が徐々に深くなっていく。
「とぼけるな。Duty No.4202のことだ。お前は奴と一緒にいただろう?」
 Duty……セナのことだろうか?
「せ…セナのことですか?」
 男は椅子に座った私を馬鹿にするような目で見下ろした。
「名前までつけてるのか。自分のペットにでもしてるつもりか?少しは自分が危険に首を突っ込んでいることを自覚しろ」
 どうして私が怒られなければならないのだ?私はただ日常を過ごしてきたまでだ。
「お前はどうやって奴をコントロールしてきたんだ?通常なら、奴を正常に扱うことは不可能だろう?」
「私がセナを?コントロール?……あの、私にはよく分からないんですけど」
「どういうことだ?」
「……その話ってもしかして、アンドロイドのセナについての話ですよね?……アンドロイドとしてのセナのことは、私、あまり知りません」
 言っている私も、自分自身に腹が立った。あれ程一緒に遊んで、笑って過ごしてきたというのに、私はアンドロイドとしてのセナは全く知らない。不思議なくらいに。
「なんでもいい。奴について知ってることを教えろ」
「……運動音痴のアンドロイド」
 私の思った通り、男の顔が歪んだ。
「自分がどういうアンドロイドかも教えずに、奴はお前に自分をコントロールさせていたのか!?」
 男の目が見開き、私は思わず身を縮めた。この男、先程からコントロール、コントロールと口にしているが、一体どういう意味なのだ?
「あの、セナをコントロールなんて、私してません。ただ…私の両親が交通事故で死んでしまって……それでセナは私の面倒を見てくれているんです。たったそれだけです。なので私はアンドロイドとしてのセナのことは……」
 ……なぜか嫌な予感がする。この男は、私の知らないセナのことを執拗に聞き出そうとしてくる。もしかしたらセナは、私に何か大切なことを秘密にしているのではないだろうか……。
「本当に……何も知らないみたいだな」
 男は深くため息をついて、身体から力を抜いた。
 連れて来たこの女は間違いだったのだろうか。この様子では、奴が欠陥品だということも、奴の過去もこの女は知らないようだ。これではこの女が奴の指令塔であるはずがない。完全に見誤ったか……。
 だがそれでもいい。本当の目的は、奴をここに来なければならざるを得ない状況を作ること。その目的を達成できる餌ならば、指令塔の役割を果たしている人間でなくともよいのだ。
 しかしあのデストロイドと呼ばれたアンドロイドが、人間1人を助けるためにここまでリスクを背負って来ようとするとは……正直驚いた。自分のことを知らない、ただの人間となぜ一緒にいたのか。この女が指令塔でないならば、奴の利益などない。いや、そんなことはどうでもいい。だが、この女は奴のことを何も知らずに今まで一緒にいた。今起きていることも、ほとんど理解できてはいないだろう。奴の隣にいることが、どれだけ危険か、理解させてやった方が良いのかもしれない。
「教えてやろうか?奴のことを……アンドロイドがどういうものか」


51-1




……本当の奴を知れば、この女はきっと








……壊れるだろうな。












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本当の奴……
いよいよこの謎が明かされるのでしょうか?
ここまでずっと謎でしたもんね。
ドキドキ……

お久しぶりです!
コメントありがとうございます☆

しばらく試験のため、更新が停滞していましたww
申し訳ありませんでした(泣)

これから冬休みに入りますので、
小説の方も、頑張っていこうかなと思っています☆

はい……やっと謎が……

今までこの時のために書いてきたって感じですね。


楽しんで読んでいただけるように、頑張ります!




プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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