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2012.10.27     カテゴリ:  Duty-本編- 

   46話 待ち人




 私が完全に復活したのは、熱が出てから3日後のことだった。声も元に戻り、嫌々ながらもセナに車で送ってもらい、学校へ行った。3日も休めば学校の机の中にはたくさんのプリントが溜まる。朝、学校に来て、机の中のプリントをごっそり出して、慌てた。1番上に38点の英語の単語テストが入っていたのだ。机の中に入っていたということは、このテストを誰かが入れてくれたということだ……。先生が入れてくれたのならいいのだが……。
 その時だった。私の前の席にいるクラスメイトの女子が、ちらりと私へと振り返り、すぐさま私から目を逸らした。
……どうやらこの子が入れてくれたようだ…。私はそのテスト用紙を角も合わせずに折り曲げ、スクールバックの中へと突っ込んだ。
 ……今日一日、どうこの子の後ろで授業を受ければいい…?
 本当は心臓がバクバクと音を立てていたが、私は何もなかったかのように席に着き、残りのプリントの整理を始めた。



 帰りは迎えに来るのが遅くなるから、少し待っていてくれとセナに言われ、思い切り嫌な顔を向けて朝、セナと別れたのだが、私が放課後校門へ行くと、セナは既に待っていてくれた。
「あれ?セナ?…迎えに来るの遅くなるって言ってたよね?」
 頭の中を38点の英語のテストがよぎる。話せばきっとセナに笑われるだろう。
「うん。案外早く用事が済んだからね」
 セナは私に微笑んで言った。
「ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いい?」


46-1



「え?どこ?」
「秘密」
 ふふっと笑って、セナは歩き出した。私はセナの大きな背中を小走りで追い駆けた。



 セナに連れて来られたのは、オフィスビルの立ち並ぶビジネス街だった。すれ違うのはスーツを着たサラリーマンで、携帯電話を片手に大通りを忙しく行き交っている。一体セナがこんなところになぜ用事があるのだろうか。この行き交うサラリーマンと彼は、何1つとして接点がないというのに。
「セナ!どこに行くの!?」
「行けば分かるって」
「行けば分かるって……アバウトだな」
 いつものセナらしい、アバウトさだ。私はこのアバウトさに今までどのくらい振り回されてきたのだろう。そんな回想にふけっていると、セナが1つの大きな高層ビルの入口へと入って行こうとした。
 心臓が一瞬止まった。そこには堂々と制服を着た2人の警備員がいたからだ。思わずセナの腕を掴み、大声で言った。
「なっ!何してんの!?自滅するつもり!?」
「え?何が?」
「け…警備員が…いる」
 私が小声で教えてやらないと、この男は分からないのか。
「大丈夫だよ。ほら」
 根拠がないのに大丈夫とこの男は言う。私は2人の警備員へと向かって行くセナの姿を、呆然としたまま見つめていた。
 すると彼を見た警備員2人は勢いよく敬礼をして、彼を捕まえるどころか、すんなりとビルの中へ入れてしまった。
「ほらね?」
 こんな危険な男を簡単に入れる、このビルの警備システムは大丈夫なのだろうか……。私はまだ学生で文句を言える立場ではないが、私がここでもし働いていたら、身の危険を感じて仕事もできないだろう。
「顔パスなんだよね」
「お前は芸能人か」
「いいからおいでよ」
 ビルの中へと入って行った彼を追って、私も2人の警備員の間を通り、ビルの中へと足を踏み入れた。異常なまでに大きなロビーに、私は開いた口が塞がらない。
 これほどまでに大きなロビーを作る金を持っているのなら、警備システムを強化したほうがいい。そんな考えが浮かばずにはいられなかった。
 ロビーにいるのは、やはりサラリーマンかOLで、黒い大理石の床は高級感を引き立たせていた。10メートルほど先には受付があり、どうやらセナはそこへ向かおうとしているようだ。
「ねぇ、セナ…なんかあたしたち、目立ってない?」
 彼は黒いジャンバー姿で、私は制服姿。このビルの中では浮いてしまって当たり前だ。
「気にする必要なんてないよ。ちょっとここで待ってて。受付行って来るから」
「う…うん」
 意外だった。セナがこんな大きなビルと関わりがあるとは思ってもいなかった。私のイメージ上、セナは汚い場所を好み、こういう人間が多い場所は嫌いだ。それなのになぜ彼はここに私をわざわざ連れて来る?
 セナのことだ。どうせ私の想定外のことをするに決まっている。私の脳みそでは頭脳型のプログラムをされた彼の思考能力には敵わないのだ。
考えを振り切ろうとビルの天井を見上げると、予想以上の空間の広さが広がっていた。このフロアだけで3階分の高さは使っているのではないかと思う。一体、このビルは何階建てなのだろう。
「理真ちゃん?」
 顔を頭上から正面へ向けると、セナが不思議そうに私を見つめていた。
「おいで。エレベーター乗るから」
「うん」
 ただセナに従うしかない。セナには何かやりたいことがあるのだろうから。私を連れて来ようとしたということは、きっと私に何か関係していることなのだ。今更帰るわけにはいかない。



「ここ」
 エレベーターに乗って連れて来られたのは、17階のフロアだった。電気は全く点いていない。節電なのだろうか。そのせいでフロアは薄暗く、目がなかなか慣れない。しかし廊下を見渡す限り誰もいないようだ。
「誰もいないの?」
「オレがここのフロア、買い上げたからだよ」
「ぜ…全部!?」
「そうだけど」
 セナの大胆さに目が飛び出そうになった。フロアを買い上げただと!?一体何のために?
「こっち。ここの会議室」
 廊下を左に曲がったところにある扉を開けたその中にあったのは、広々とした会議室だった。白い長机が数個隅に寄せてあり、会議室のど真ん中には椅子がポツリと1つ置かれている。奥は足元から天井まで、一面がガラス張りの窓になっていて、ビジネス街全体を見渡せる。
 ガラス張りに歩み寄り、この広大な都市の景色を見て、セナのしたいことが完全に分からなくなった。なぜこんな17階のフロアを買い上げたのだ?何も使っていないではないか。「ねぇセナ、ここで何かするの?何も置いてないし、ここを買い上げた理由がイマイチあたしには……」
 金属音によって、私の話は途絶えた。ガラス張りから振り返り、セナへと目を向けると、セナはドアに背を向けたまま、ドアノブの鍵に手を掛けていた。
「……セナ?」
「気付かないのか?鈍感だな、お前」
 声に驚いた。セナのものではない。頭の中が真っ白になっていく。一体何が起きているのだ?
「さっきからセナって。誰だそれ?」
 ただ分かったこと。混乱しつつある頭の中の、唯一時間差で混乱に浸食されなかった部分で、私は思った。



46-2



















 この男は……セナではない。














読んでいただき、ありがとうございます!


どうでしたでしょう…


次回がワクワクするw


などと言ってもらえると、とても嬉しいのですが、

次回を更新する私が一番ワクワクしていると思いますwww



1人で舞い上がっていてごめんなさいw




もう『Duty』最後が近付いてきました。

(泣)


最後なので、本気を出しますw

出すつもり…出したい…。




この小説は、謎の多い小説だったのですが、
ちゃんと、全てが消化されるように作ったつもりです。





どうぞ、お楽しみください。


私も楽しんで更新させていただきます☆


  Byリンス





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プロフィール

 リンス 

Author: リンス 
リンスといいます☆


大学三年生です!
最近、就職についていろいろ悩み中です

小説「Duty」が完結し、これからどうするか考えています!

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